AWS Knowledge MCP Serverは、AWS公式ドキュメント、APIリファレンス、ベストプラクティスなどにリアルタイムでアクセスできるManaged MCP Serverです。この記事では、Windows11 + WSL環境での詳細な設定方法を解説します。
AWS Knowledge MCP Serverとは
AWS Knowledge MCP Serverは、AI開発者向けに提供されるクラウドベースのMCPサーバーです。以下の特徴があります:
- リアルタイムアクセス: 最新のAWSドキュメント、APIリファレンス、アーキテクチャガイダンスにアクセス
- 簡単セットアップ: ローカルサーバー不要でクラウドから直接利用
- 豊富な情報源: AWS公式ドキュメント、What’s New、ブログ記事、Well-Architectedガイダンス等
利用可能なツール
- search_documentation: AWS全ドキュメント横断検索
- read_documentation: AWSドキュメントページをMarkdown形式で取得
- recommend: 関連ドキュメントの推奨機能
Windows11 + WSL環境での設定手順
1. 前提条件の確認
WSL環境で以下を確認します:
# Node.jsがインストールされているか確認
node --version
npm --version
# Python環境の確認(uvx使用時)
python3 --version
2. Cursor IDEでの設定
ステップ1: 設定ファイルの作成
WSL環境でCursorを使用している場合、以下の場所に設定ファイルを作成します:
グローバル設定(全ワークスペース共通)
# WSL環境でのパス
mkdir -p ~/.cursor
nano ~/.cursor/mcp.json
ワークスペース固有設定
# プロジェクトルートディレクトリで
nano .cursor/mcp.json
ステップ2: 設定内容の記述
クライアントがHTTP transport対応の場合(Cursor等):
{
"mcpServers": {
"aws-knowledge-mcp-server": {
"url": "https://knowledge-mcp.global.api.aws"
}
}
}
3. HTTP非対応クライアント用プロキシ設定
WSL環境でClaude Desktop、Cline、Q CLI等を使用する場合のプロキシ設定:
mcp-remoteを使用する場合
# mcp-remoteのインストール(グローバル)
npm install -g mcp-remote
設定ファイル:
{
"mcpServers": {
"aws-knowledge-mcp-server": {
"command": "npx",
"args": [
"mcp-remote",
"https://knowledge-mcp.global.api.aws"
]
}
}
}
mcp-proxyを使用する場合
# uvxでmcp-proxyを使用
pip install uv # 必要に応じて
設定ファイル:
{
"mcpServers": {
"aws-knowledge-mcp-server": {
"command": "uvx",
"args": [
"mcp-proxy",
"--transport",
"streamablehttp",
"https://knowledge-mcp.global.api.aws"
]
}
}
}
4. 動作確認とテスト
MCP Inspectorでの確認
WSL環境で直接サーバーをテスト:
npx @modelcontextprotocol/inspector https://knowledge-mcp.global.api.aws
このコマンド実行後、ブラウザでアクセス可能なURLが表示されます。セッショントークンが含まれるため、必ずターミナル出力のURLをクリックしてください。
基本的な使用例
# AWS Lambda関連の情報を検索
search_documentation: "Lambda best practices"
# 特定のドキュメントページを取得
read_documentation: "lambda getting started guide"
# 関連ドキュメントの推奨
recommend: "serverless architecture patterns"
トラブルシューティング
一般的な問題と解決法
接続エラー
インターネット接続を確認
WSLのネットワーク設定を確認
プロキシ設定が必要な環境では適切に設定
プロキシツールの問題
# Node.jsキャッシュのクリア
npm cache clean --force
# mcp-remoteの最新版インストール
npm update -g mcp-remote
WSL固有の問題
# WSL環境でのNode.js権限問題
sudo chmod +x $(which node)
# パス設定の確認
echo $PATH
セキュリティと制限事項
- 認証不要: AWSアカウント不要で利用可能
- レート制限: 使用量に応じた制限あり
- 利用規約: AWS Site Termsに準拠
- プレビュー版: 現在テスト・評価目的での利用
まとめ
AWS Knowledge MCP Serverは、AWS開発者にとって強力なツールです。Windows11 + WSL環境での設定は比較的簡単で、適切なプロキシ設定を行うことで様々なMCPクライアントで利用できます。
プレビュー版のため、本番環境での使用前に十分なテストを行い、最新の公式ドキュメントも併せて確認することをお勧めします。
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