何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。

労働基準法には副業を禁止する規定は存在しない
→ 原則として副業は法的に認められている

完全禁止：無効（判例により確立）
合理的制限：有効
有効な制限例：
- 競業避止義務違反
- 秘密保持義務違反
- 本業への支障
- 会社の信用失墜

1. 副業・兼業に関する規定
2. 競業避止義務の範囲
3. 秘密保持義務の内容
4. 懲戒処分の規定
5. 届出・許可制の有無

- 人事部への問い合わせ
- 社内イントラネットでの確認
- 労働基準監督署での閲覧（会社が届出している場合）

高リスク：
- 直接的な競合企業での副業
- 本業の顧客・取引先との取引
- 本業の営業時間中の副業活動
- 会社の機密情報の利用
低リスク：
- 異業種での副業
- 本業と無関係な技術領域
- 休日・夜間のみの活動
- 独自のスキル・知識の活用

給与所得 + 副業所得 = 合計所得
↓
住民税額の決定
↓
会社への特別徴収税額通知
↓
前年比での税額増加が発覚

確定申告書第二表の記載：
「給与・公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」
→ 「自分で納付」にチェック
効果：
副業分の住民税は自分で納付
→ 会社には本業分のみ通知

副業が給与所得の場合：
→ 社会保険料が増額される可能性
副業が事業所得・雑所得の場合：
→ 社会保険料への直接影響なし

- 副業は業務委託契約で行う
- 給与所得ではなく事業所得として処理
- 複数の会社で給与を得る場合は要注意

高リスク行動：
- SNSでの副業活動公開
- 同僚への副業の話
- 会社のPCでの副業作業
- 営業時間中の副業関連連絡
対策：
- 副業活動の秘匿徹底
- SNSアカウントの分離
- 専用デバイス・回線の使用
- 時間・場所の明確な分離

メリット：
- 事業所得・雑所得として処理
- 社会保険料への影響なし
- 経費計上が可能
- 時間・場所の自由度が高い
注意点：
- 偽装請負にならないよう注意
- 適切な契約書の作成
- 成果物・期限の明確化

デメリット：
- 給与所得として処理
- 社会保険料の増額可能性
- 労働時間の制約
- 会社への発覚リスク増大
やむを得ない場合の対策：
- 短時間・短期間に限定
- 住民税の普通徴収設定
- 社会保険の重複加入回避

副業専用の銀行口座開設：
- 本業と副業の収支分離
- 確定申告時の計算簡素化
- 証拠書類の整理
推奨銀行：
- ネット銀行（手数料安、管理便利）
- 屋号付き口座（事業用として明確化）

推奨ソフト：
- freee：初心者向け、自動化機能充実
- マネーフォワード：中級者向け、機能豊富
- やよい：シンプル、コスパ良好
管理項目：
- 収入の記録
- 経費の管理
- 請求書・領収書の保管
- 確定申告書類の作成

以下の要件を満たす場合：
- 継続性・反復性がある
- 独立性がある（他者の指揮命令下でない）
- 営利性・有償性がある
- 社会的地位が認められる
メリット：
- 青色申告特別控除（最大65万円）
- 損益通算が可能
- 経費の範囲が広い
- 専従者給与の支給可能

事業所得に該当しない副業収入
デメリット：
- 青色申告特別控除なし
- 損益通算不可
- 経費の範囲が限定的
該当例：
- 単発の講演料
- 原稿料
- 小規模なアフィリエイト収入

事業所得になりやすい例：
- 継続的な受託開発
- 定期的な技術コンサルティング
- SaaS・アプリの運営収入
- 技術ブログの広告収入（一定規模以上）
雑所得になりやすい例：
- 単発のシステム開発
- 不定期の技術相談
- 小規模なアフィリエイト
- 単発の講演・執筆

以下のいずれかに該当する場合：
- 副業所得が20万円超
- 2箇所以上から給与を受給
- 給与収入が2,000万円超
- 医療費控除等を受ける場合

- 無申告加算税：15-20%
- 延滞税：年7.3-14.6%
- 重加算税：35-40%（悪質な場合）
- 刑事罰の可能性（故意の場合）

提出期限：
- 新規開業：開業から2ヶ月以内
- 既存事業：適用年の3月15日まで
必要書類：
- 青色申告承認申請書
- 開業届（個人事業の開業・廃業等届出書）

10万円控除：
- 簡易簿記での記帳
- 青色申告決算書の提出
65万円控除：
- 複式簿記での記帳
- 貸借対照表・損益計算書の作成
- e-Tax申告または電子帳簿保存

- 外注費・業務委託費
- 材料費・消耗品費
- 通信費（副業用携帯・インターネット）
- 旅費交通費（副業関連の移動）
- 接待交際費（クライアントとの会食等）

- 家賃・光熱費（自宅作業スペース分）
- 通信費（プライベートと共用の場合）
- 車両費（プライベートと共用の場合）
按分方法：
- 面積按分：作業スペース面積 ÷ 総面積
- 時間按分：副業時間 ÷ 総使用時間
- 使用頻度按分：副業使用日数 ÷ 総日数

自宅作業の場合：
- 専用スペース：100%計上可能
- 共用スペース：20-30%程度が妥当
- 過度な按分は税務調査のリスク
根拠資料の保管：
- 間取り図・写真
- 使用時間の記録
- 光熱費の明細

保管期間：
- 青色申告：7年間
- 白色申告：5年間
保管方法：
- 原本の保管（電子保存も可）
- 日付・内容・金額の明記
- 事業関連性の説明メモ

本業：正社員（社会保険加入）
副業：パート・アルバイト（週20時間以上）
→ 両方で社会保険加入義務
対処法：
- 主たる勤務先を選択
- 副業先での加入を回避
- 労働時間の調整

国民健康保険：
- 前年所得に基づく保険料計算
- 副業所得も含めて計算
- 扶養から外れる可能性
国民年金：
- 副業収入による直接影響なし
- ただし、厚生年金との重複注意

原則：1人1保険
複数勤務先がある場合：
- 主たる勤務先でのみ加入
- 副業先では加入しない

各勤務先で個別に適用：
- 本業での事故：本業の労災適用
- 副業での事故：副業先の労災適用
- 通勤途中の事故：各々の通勤災害

- 急激な所得増加
- 経費率が異常に高い
- 現金取引が多い
- 申告内容に矛盾がある
- 同業者の平均と大きく乖離

- 帳簿・会計記録
- 契約書・請求書
- 領収書・レシート
- 銀行通帳・取引明細
- 事業関連の証拠書類

- 正直・誠実な対応
- 根拠資料の提示
- 専門家（税理士）への相談
- 修正申告への適切な対応

- 業務内容・成果物の明確化
- 報酬・支払条件
- 納期・スケジュール
- 知的財産権の帰属
- 秘密保持義務
- 契約解除条件

- 曖昧な表現の回避
- 変更・追加作業の取り決め
- 責任範囲の明確化
- 紛争解決方法の規定

原則：創作者に帰属
契約による譲渡・利用許諾：
- 著作権譲渡契約
- 利用許諾契約
- 職務著作の検討
注意点：
- 本業での職務著作との区別
- 副業成果物の権利帰属
- ライセンス条件の明確化

1月-3月：
- 開業届の提出
- 青色申告承認申請書の提出
- 専用口座の開設
- 会計ソフトの導入
4月以降：
- 副業活動開始
- 日々の記帳開始
- 領収書・証拠書類の保管

3月・6月・9月・12月：
- 収支状況の確認
- 予定納税額の計算
- 経費計上漏れの確認
- 節税対策の検討

12月：
- 年間収支の集計
- 必要書類の整理
- 控除証明書の収集
- 税理士相談の検討
1月-3月：
- 確定申告書の作成
- 申告・納税の実行
- 来年度の計画策定

- 基礎控除：48万円
- 配偶者控除：38万円
- 扶養控除：38万円
- 社会保険料控除：支払額全額
- 生命保険料控除：最大12万円
- 地震保険料控除：最大5万円
- 医療費控除：10万円超の部分
- 寄附金控除（ふるさと納税）：2,000円超の部分

65万円控除の要件：
- 複式簿記での記帳
- 貸借対照表・損益計算書の作成
- e-Tax申告または電子帳簿保存
実質的な節税効果：
所得税・住民税合わせて約20万円の節税

加入条件：
- 個人事業主
- 常時使用する従業員が20人以下
メリット：
- 掛金全額所得控除（年額最大84万円）
- 退職金的な給付
- 低利の貸付制度

受託開発：800万円（事業所得）
技術コンサル：300万円（事業所得）
アフィリエイト：100万円（雑所得）
合計：1,200万円

直接経費：
- 外注費：150万円
- 通信費：24万円
- 旅費交通費：36万円
- 接待交際費：48万円
間接経費（家事按分）：
- 家賃：60万円（30%按分）
- 光熱費：12万円（30%按分）
- 車両費：18万円（40%按分）
合計経費：348万円

総収入：1,200万円
経費：348万円
青色申告特別控除：65万円
事業所得：787万円
所得税：約120万円
住民税：約80万円
個人事業税：約20万円
合計税額：約220万円
実効税率：約18%

- 確定申告書で「自分で納付」を選択
- 副業分の住民税は普通徴収で納付
- 本業の住民税額に変化なし

- 副業専用のメールアドレス・電話番号
- SNSアカウントの完全分離
- 会社での副業関連話題の回避
- 営業時間外のみの副業活動

- 年間副業収入500万円以上
- 複雑な取引・契約が多い
- 税務調査のリスクが高い
- 時間的余裕がない
- 節税対策を本格的に行いたい

税理士報酬：年間30-50万円
節税効果：年間50-100万円
時間節約効果：年間100時間以上
→ 十分な費用対効果あり

- 20万円以下でも申告が必要なケース
- 経費按分の計算間違い
- 所得区分の判定ミス
- 控除の適用漏れ

- 会計ソフトの活用
- 定期的な専門家相談
- 申告前のダブルチェック
- 過去の申告書との比較検証

- 領収書の紛失・不備
- 事業関連性の説明不足
- 家事按分の根拠不明
- 契約書の不存在

- デジタル化による管理
- 定期的な整理・確認
- 事業関連性のメモ作成
- 契約書の必須化

- 住民税の普通徴収設定忘れ
- SNSでの情報漏洩
- 同僚への不用意な発言
- 営業時間中の副業活動

- 確定申告時の設定確認
- 情報管理の徹底
- 副業活動の秘匿
- 時間・場所の明確な分離