【2025年版】AZ-900独学完全ガイド:実体験に基づく4週間合格ロードマップと勉強法
はじめに:なぜ今、AWSエンジニアの私がAZ-900を受けたのか?
「クラウドの案件といえば、ほとんどがAWSでしょ?」
数年前まで、私もそう考えていました。しかし、2025年のIT業界の現実は、もはやその常識を過去のものにしています。多くの企業がAWSを主軸にしつつも、特定のワークロードにはAzureやGCPを組み合わせる「マルチクラウド戦略」を当たり前のように採用し始めています。
私自身、長年のAWS経験を持つエンジニアですが、あるプロジェクトで「Azure ADと連携して認証基盤を構築してほしい」という要望に即座に応えられなかった苦い経験があります。このとき、単一のクラウド知識だけでは、もはや市場価値の高いエンジニアであり続けることは難しいと痛感しました。
そこで一念発起し、Microsoft Azureの学習を開始。その第一歩として選んだのが、基礎を網羅した「AZ-900: Microsoft Azure Fundamentals」でした。
結果から言えば、この選択は大正解でした。AZ-900は単なる「入門資格」ではありません。Azureの広大なサービス群の地図を手に入れ、クラウドの普遍的な原則を再確認する絶好の機会です。
この記事は、単なる試験情報のまとめではありません。私が実際に4週間で合格するまでに「どこでつまずき」「どうやって乗り越え」「何が本当に役立ったのか」という生々しい実体験を詰め込んだ、超実践的な独学ガイドです。
AZ-900試験のリアル:難易度・合格率のホントのところ
まず、敵を知ることから始めましょう。巷では「簡単だ」と言われることもあるAZ-900ですが、油断は禁物です。
{
"exam_code": "AZ-900",
"exam_name": "Microsoft Azure Fundamentals",
"target_audience": "クラウド未経験者、営業・企画職、マルチクラウド知識をつけたいエンジニア",
"number_of_questions": "約40-60問",
"exam_duration": "60分",
"passing_score": "700/1000点",
"question_formats": "多肢選択、ドラッグ&ドロップ、シナリオ問題など",
"cost": "13,200円(税込)※学割やキャンペーンあり",
"skills_measured": {
"クラウドの概念 (25-30%)": "IaaS, PaaS, SaaS, 可用性, 拡張性など",
"Azureのアーキテクチャとサービス (35-40%)": "コアサービス(VM, Storage, Database)の概要",
"Azureの管理とガバナンス (30-35%)": "コスト管理, セキュリティ, プライバシー"
}
}
実体験からのアドバイス:
合格ラインは700点ですが、これは7割正解すれば良い、という単純な話ではありません。配点が高い問題、低い問題があると推測されます。特に、複数のサービスを比較して適切なものを選ぶシナリオ問題は、単なる暗記では対応できません。私が受験した際も、こうした「思考力」を問う問題で時間を取られました。時間配分(1問1分ペース)と見直し時間の確保(最低10分)が合否を分けます。
4週間で合格!挫折させない超具体的学習ロードマップ
このロードマップは「何を」「どこまで」「どうやって」学ぶかを具体的に示します。平日1〜2時間、休日3〜4時間の学習を想定していますが、重要なのは時間よりも「今日のゴール」を達成することです。
Week 1: 「クラウドの共通言語」を身につける
目標: クラウドの基本用語(IaaS, PaaS, SaaS, 可用性, 拡張性, CapEx vs OpExなど)を、ITに詳しくない同僚にも説明できるレベルで理解する。
- Day 1-3: Microsoft Learnで基礎固め
- 教材: MS Learn: クラウドの概念
- 学習法: ただ読むだけでなく、各モジュールの最後にある「知識チェック」で満点を取るまで繰り返します。ここで手を抜くと後で必ず苦労します。
- Day 4-5: Azureポータル探検
- 演習: 無料のAzureアカウントを作成し、ポータルにログイン。ダッシュボードを自由にカスタマイズしてみましょう。「リソースグループ」という概念がAzureの基本単位であることを体感するのが目的です。
- Day 6-7: 週末アウトプット
- 課題: 「IaaS, PaaS, SaaSの違い」について、具体的なサービス名(例: Azure VM, App Service, Microsoft 365)を挙げて、自分の言葉でブログ記事風にまとめてみる。このアウトプットが記憶を定着させます。
Week 2: Azureの主要サービスを巡る旅
目標: 「この課題なら、あのサービスが使えるな」と、Azureの主要サービスを道具箱のツールのように整理して理解する。
- Day 8-11: 主要サービスのインプット
- 教材: MS Learn: Azure のアーキテクチャとサービス
- 挫折ポイント: サービスの数が多くて混乱しがちです。完璧に覚えようとせず、「コンピューティング」「ネットワーク」「ストレージ」「データベース」の4つのカテゴリに分類し、各カテゴリにどんなサービスがあるかを把握することに集中してください。
- Day 12-13: Azure CLIでコマンドに慣れる
-
演習: Azure CLIをインストールし、以下のコマンドを叩いてみましょう。GUIだけでなくCUIに触れることで、インフラがコードで管理されていることを実感できます。
“`bash
# Azureへのログイン(ブラウザが開きます)
az login利用可能なリージョン(場所)の一覧を表示
az account list-locations –output table
リソースグループを作成
az group create –name MyTestResourceGroup –location japaneast
作成したリソースグループを削除
az group delete –name MyTestResourceGroup –yes –no-wait
“`
* Day 14: 週末アウトプット
* 課題: 「Azure Virtual Machines」と「Azure App Service」の違いは何か?どちらをどのような場合に使うべきか?を比較表でまとめてみる。
-
Week 3: 企業がAzureを使う本当の理由
目標: セキュリティ、コンプライアンス、コスト管理といった、ビジネスでクラウドを使う上で不可欠な概念を理解する。
- Day 15-18: 管理とガバナンスの学習
- 教材: MS Learn: Azure の管理とガバナンス
- 最重要ポイント: 私がAWSと比較して特に重要だと感じたのは、Azure PolicyとAzure Blueprintsによるガバナンス機能の強力さです。大企業がなぜAzureを選ぶのか、その理由がここに詰まっています。
- Day 19-20: コスト計算ツールを遊び倒す
- 演習: Azure料金計算ツールを使い、仮想的なシステム構成(例: Webサーバー2台、DB1台)の月額料金を見積もってみる。コスト感覚を養うことが目的です。
- Day 21: 週末アウトプット
- 課題: 「もしあなたが会社の情シス担当者なら、Azureのコストを管理するためにどのような機能(Azure Policy, Cost Management, Advisor)をどう使いますか?」というシナリオで対策を3つ挙げてみる。
Week 4: 知識を「合格力」に変える
目標: 模擬試験で安定して90%以上の正答率を叩き出し、自信を持って本番に臨む。
- Day 22-25: 模擬試験フェーズ
- 教材: Udemyなどの有料模擬試験(後述)
- 学習法(最重要):
- 1回目: 時間を計って本番同様に解く。結果に一喜一憂しない。
- 復習: 間違えた問題だけでなく、正解した問題も含め、全ての選択肢が「なぜ正解なのか」「なぜ不正解なのか」を完璧に説明できるまで解説を読み込む。
- 2回目以降: 100点を取るまで繰り返し解く。
- Day 26-27: 弱点補強と最終確認
- 演習: 模擬試験で何度も間違える分野(私の場合はネットワークとセキュリティの詳細なサービス比較でした)をMicrosoft Learnでピンポイントに復習する。
- Day 28: 試験前日
- 行動: 新しいことは絶対に学ばない。模擬試験の復習ノートを見返す程度にし、十分な睡眠をとる。
厳選!AZ-900独学で本当に役立った学習リソース
-
Microsoft Learn (★★★★★ – 必須)
- コスト: 無料
- 評価: これがなければ始まりません。試験範囲を100%カバーしており、品質は最高です。特に各ラーニングパスの構成が秀逸で、順に進めるだけで体系的な知識が身につきます。
-
Udemy模擬試験問題集 (★★★★★ – 強く推奨)
- コスト: 約2,000円前後(セール時を狙いましょう)
- 評価: 知識を合格力に変えるための必須アイテム。本番に近い問題を解くことで、時間配分の感覚や、知識の定着度を測ることができます。私が購入した講座は、各問題に非常に丁寧な解説が付いており、なぜその選択肢が正解/不正解なのかを深く理解できました。
-
YouTube動画解説 (★★★☆☆ – 補助)
- コスト: 無料
- 評価: 「AZ-900 Cram Session」などのキーワードで検索すると、試験の要点を短時間で解説してくれる動画が見つかります。通勤中や昼休みなどのスキマ時間に見ることで、知識の反復学習に役立ちました。
AZ-900合格後の世界:キャリアはどう変わる?
AZ-900はゴールではなく、新たなキャリアのスタートラインです。
-
具体的なネクストステップ:
- 管理者を目指すなら: AZ-104 (Azure Administrator Associate) へ。ハンズオンが増え、より実践的なスキルが身につきます。
- 開発者なら: AZ-204 (Azure Developer Associate) で、Azure上でのアプリケーション開発能力を証明しましょう。
- データ・AI分野へ進むなら: DP-900 (Azure Data Fundamentals) が最適です。
-
市場価値のリアルな変化:
- AWSエンジニアの場合: 「マルチクラウド対応可能」という強力なタグが付き、提案できるアーキテクチャの幅が格段に広がります。実際、私もAzureの知見を活かして、より大規模なハイブリッドクラウド案件に参画できるようになりました。
- 未経験者の場合: 「クラウド技術への学習意欲と基礎知識」を客観的に証明できる最強の武器になります。未経験からクラウド業界への転職を目指すなら、取得して損は絶対にありません。
まとめ:AZ-900は、未来の自分への最高の「投資」である
AZ-900の学習は、単にAzureのサービス名を覚える作業ではありません。クラウドという現代のビジネス基盤を動かす「原則」を学び、自らの技術的な視野を広げるプロセスです。
この記事で紹介した4週間のロードマップは、決して楽な道ではないかもしれません。しかし、一日一日の小さな積み重ねが、一ヶ月後には「合格」という大きな自信に変わります。
AZ-900の合格証は、あなたのキャリアの可能性を何倍にも広げてくれる、価値ある一枚です。さあ、今日から未来の自分への投資を始めましょう!
コメント